PAPER学生論文「昭和池田賞」
昭和池田賞の趣旨
学生論文「昭和池田賞」は、1981年当財団設立5周年を機に、
学生の育英の一環として文部省(現・文部科学省)の後援を得て制定
されました。
短大生・大学生・大学院生に自由活発な意見発表の場を与えるために、毎年一回論文を公募し昭和池田賞などを授与しています。
学生の皆さんがそれぞれの分野で、学問を究め、より広い視野に立ち、磨かれた英知をもって、明日の日本、明日の世界に貢献してほしい
という趣旨のもと、昭和池田賞、優秀賞の受賞者には、それぞれ賞金と返済不要の奨学金を給付しています。
一人でも多くの学生の皆さんが応募されることを期待しています。
募集ポスターについて

ポスターの絵は2000年第19回募集の際、マンガ「フクちゃん」
の作者・横山隆一先生(逝去)にお願いしました。
横山先生のご了解を得て、毎年論文募集ポスターに使用させてい
ただいています。
横山先生からのコメント
「21世紀に向けて、青年たちが、立ちはだかる雷や風雨にめげず、
大樹のようにすくすくとたくましく育って雲を突き破り、
のびのびと枝葉を伸ばしてほしいという願いが込められています。
堅実な繁栄が期待される、希望の21世紀です
論文審査委員
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名誉審査委員長
加藤 諦三
早稲田大学
名誉教授 -
審査委員長
木村 忠正
立教大学 教授
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審査委員
河野 洋平
元衆議院議長
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審査委員
佐々木 正峰
独立行政法人
国立科学
博物館 顧問 -
審査委員
中村 利雄
(公財)全国中小企業振興
機関協会 会長 -
審査委員
石川 薫
元カナダ大使
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審査委員
池田 彰孝
(公財)昭和池田記念財団
理事長 -
論文コーディネーター
大川内 直子
(株)アイデアファンド
代表取締役CEO
(敬省略)
受賞者からのコメント
論文募集は社会の課題に
向き合う若者の大きな励みに
脳科学者
茂木 健一郎
(第10回1991年度 昭和池田賞受賞)
私は、学生論文・昭和池田賞の第10回に応募し、賞をいただいた。当時、私は大学院生。わくわくしながら文章を綴ったのを覚えている。
学生にとって、何かテーマが与えられ、そのことについて考えを巡らせるということは、自身を鍛えることにもつながり、また、社会との貴重な接点を得ることにもなる。何よりも、自分たち、若者のことを気にかけ、見守り、育ててくれる「大人たち」がいると実感できたことは、何よりも励みになり、嬉しかったことを覚えている。
時代は変遷し、人類共通の課題も、深くそして広いものになってきている。若者が考えなければならない問題も、ますます挑戦しがいのあるものになってきている。昭和池田記念財団が学生対象の論文を募集してきたことは、人類共通の課題に向き合う若者たちにとって、大きな励みになってきた。これからもまた、大切な役割を果たしていくことだろう。
私自身、かけがえのない、考えるきっかけを与えていただいたと、今、感謝の念とともに、当時のことを思い出している。
(2016年 昭和池田記念財団40年史より抜粋)論文PDFはこちらから
募集要項
第42回昭和池田賞の応募は締め切りました。
受賞結果は6月下旬にこのホームページ上で発表する予定です。
第42回昭和池田賞
論文応募要項

ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元総理の暗殺、さらに中国による台湾周辺での軍事演習が強行されるなど、安全保障や日本国憲法への社会の関心が高まっています。また経済面でも、ウクライナ侵攻を受けて欧州諸国がエネルギー輸入の危機に直面したほか、小麦や天然ガスを始めとする一次産品の価格高騰が生じるなど、日本を含む世界経済全体が影響を受けており、グローバル社会の抱える課題が明るみになりました。 これに限らず、国際的にも日本国内においても従来の安定や安心をゆるがすような事象が生じています。こうした困難な時局に、私たちは社会やその未来をどう捉え、見据え、対応していくとよいのでしょうか
昭和池田記念財団では、学生の皆さんの柔軟な発想による考えを募ります。
自分の目で確かめ、自分の足で情報を収集し、自分の考えを示す、力強い論文、特に、実体験や独自の調査・実験に基づいて、
自分自身の考えを発展させた、オリジナルで力強い論文を歓迎します。
- 課 題
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下記のテーマ群のなかから掘り下げたい主題を一つ選び、副題をつけて提出してください。
- ●1.ポストコロナ社会を考える
- ●2.日本の伝統文化を考える
- ●3.日本の針路、この考えはどうだ!
- ●3-1.日本国の安全保障と憲法
- ●3-2.グローバル社会の展望と日本の立ち位置
- ●3-3.科学技術立国としての日本を考える
- ●3-4.自然環境と人間の共生を考える
- ●3-5.日本の社会的課題と克服
- ●3-6.その他
- 作品の形式
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- ●1.論文
- ●2.映像
DVDディスク、またはUSBメモリーによるもの。
テーマは共通、いずれも表紙と梗概(800字以内)を添付すること。
- 表 彰
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昭和池田賞 1名(賞金50万円と当財団規規定の奨学金・給付型)
優秀賞 若干名 (賞金20万円と当財団規規定の奨学金・給付型)
努力賞 (適格の応募者全員に記念品を贈呈)
※応募状況により審査結果が変動する場合があります
- 応募資格
短大、大学、大学院に在籍する学生
- 論文の形式
本文6,000字以上、12,000字以内(必要に応じ付表・図を付す)
表紙、目次、梗概を添付。黒インキ、黒ボールペンを使用すること。
引用文献・参考資料一覧表の添付は必須事項ですが、上記の制限枚数に含まない。
パソコンのワード等の場合は、A4判の用紙で上記の文章量を換算すること。
論文は日本語に限るが、原文が英語、中国語の場合は日本文にそれを添付して補う事は可。
- 映 像
DVDディスク、USBメモリー、共に10分以上20分以内とする。梗概を添付。
作品の形式 映像データはWindows Media Playerで再生可能なファイル形式。
- 梗 概
論文・映像の、いずれの作品でも、800字以内の梗概をつけること。
- 表 紙
表紙には、下記事項を必ず記載してください。
①課題と副題
②氏名(ふりがな)、生年月日、性別
③学校名、学部、学年、学校所在地
④自宅住所、電話番号、Eメールアドレス
⑤帰省先住所、電話番号
- 注意事項
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1.表紙に所要事項が欠落していると失格になります。
2.匿名は受付けません。
3.応募作品は未発表作品に限ります。他のコンテストに応募中の場合は注記してください。
なお、自身の研究(レポート、卒業論文、修士論文など)を元にする場合、本論文応募のための
オリジナルな論述が、最低でも半分以上となるようにしてください。
4.応募作品の公表や二次的使用の権利は、弊財団に帰属します。
5.応募作品の返却はいたしません。審査内容のお問い合わせには応じかねます。
6.引用資料・参考文献等は注釈をつけ、一覧表にまとめ出所を明らかにしてください。
7.個人情報保護の関係上、記入された内容は本目的以外に用いることはありません。
- 応募方法
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応募規程に従い、2022年10月(募集受付開始)より、2023年2月28日(締め切り)までに、
作品を下記へ郵送してください。(締め切り当日消印有効)
- 郵送先
〒142-0041
東京都品川区戸越5-17-14
公益財団法人 昭和池田記念財団「昭和池田賞」係
- 日 程
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● 募集開始
2022年(「公募ガイド」ONLINEに掲載予定)
● 締め切り
2023年2月28日(火)郵送は当日消印有効
● 入賞発表
2023年6月下旬 当財団ホームページにて発表予定
※入賞者のみ直接通知します。
※努力賞の方は記念品の発送をもってかえさせていただきます。● 贈賞式
2023年8月以降
※贈賞式の日程は変更になる事がございます。
審査委員(前審査委員長)
からのコメント
昭和池田賞の論文審査委員を担当して
名誉審査委員長
早稲田大学名誉教授
加藤 諦三
およそ論文審査では、それほど審査員の間で大きく評がわかれることはない、だれかがAをつけたら、他の人はだいたいAかBである。
まずはCとかDをつける人はいない。だれかがDをつけたら、だいたいがCかDであり、まずAとかBをつける人はいない。
論文審査ではなく作文審査でも同じである。また、どの学生に奨学金を与えるかという審査会についても同じである。あるいは、教授を公募で採用する大学も多くなったが、その人事委員会でも同じである。それは、その分野の専門家が集まって議論をしているから、どうしてもそうなる。
ところが、この昭和池田賞の論文審査は違う。だれかがDをつけても、他の委員がAをつけることがある。そうなるのは、審査委員の顔ぶれを見てもらえば納得してもらえるだろう。財界で活躍している人もいれば、政界の大物もいる、官僚の世界で上りつめた人もいる。
学問の世界にいる人もいる。それぞれの人が、論文を見る視点が違う。
私はこの昭和池田賞論文の審査委員会に出席することが楽しみである。それは、この場が私にとっても勉強になるからである。
「えー?」という議論が多い。
教えるものと教えられるもの、親と子供、雇用者を被雇用者、売るものと買うもの、与党と野党、被害者と加害者、当事者と第三者などでは、視点が違うから同じものが違ってみえる。政治的な判断と道徳的な判断はちがう。マックス・ウェーバーは、政治を行うものは悪魔と手を結ばなければならないと述べている。
わたしも60歳をすぎ、この年齢になると、いろいろな委員会に出席することが多くなるが、正直なところ、だいたいだれのいうことでも、おおよそ想像はつく。「まさか」というようなことをいう人は、ほとんどいない。
昭和池田賞論文で賞をもらった人は、自信をもってもらいたい。それだけ多くの視点からの評価に耐えられたのである。
わたしは、昭和池田賞は弁証法的賞といってよいと思っている。(2006年 昭和池田財団30年史より抜粋)